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ヘタリアをこよなく愛する管理人の暴走部屋。
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デスクトップにプロイセンがやってきて狂喜しています紅葉です。
年明けから何かやらねばとそわそわしていた1月18日を、結局何もせずに過ぎ去らせてしまいました。
うううう忙しすギルんだよHerrgott im Himmel!
こうなりゃ小鳥の手も借りたいぜー(小鳥に手ねェーから!)

でも今度の紅葉はちょっと違いましたよ普露伊ライン(←誤変換乙!^^)
なんと以前挫折した文のほうに手を出しちゃいました!
所詮文才など欠片もない、見よう見まねで書いたまったくの駄文なうえ、きっとこれ誰かとネタかぶってるよね!っていう、この記念日にありがちな内容ですんで、つづきのほうに晒しておきます…

いやぁそれにしても、ぷーの王国昇格の日とドイツ帝国成立の日が同じなんて、神のいたずらとしか思えないですよねー
お髭の兄ちゃんにはキメてたりして決して優しくない(←www)神さまも、こればっかりはほんとGJ!

「兄さん、ちょっといいか?」
「ふあ?」

 夕食を終えて、いつものごとくソファを占領しブログを更新していたプロイセンは、弟の呼びかけに応えて振り返り、その手に持っているものにきょとりとした。

「ケーキ?それもずいぶんでけぇじゃねぇか!どうしたんだよ、ヴェストが焼いたのか?」

 首を傾げながらも興味津々で寄ってくる兄に知らず頬を緩ませて、ドイツはそうだと言いながらケーキをテーブルに置いた。

「今日は何の日か覚えているか、兄さん」

 立ち上がるが早いか、もうテーブルの席についていたプロイセンに問うてみると、彼は一瞬はて、と思い巡らせ、しかしすぐにピンときたらしくにっかりと笑った。

「お、おうよ!もちろん忘れちゃいねぇぜ。なんてったって我らがライヒ、ドイツが帝国になった日だもんな!けせせ…俺がフランスぶん殴ってヴェルサイユ宮殿貸し切ってよ、お前が一丁前の国として式典に出てだな…」

「あーそれもそうなのだが(一瞬忘れていたみたいだな…)、」

 ケセケセ笑いながら揚々と話し始めたプロイセンを、苦笑混じりにドイツは遮った。

「…今日はその、貴方が王国に昇格した日でもあるだろう?」
 プロイセンは目をまんまるに見開いて、あっけにとられた顔をした。

「ヴェスト、お前なんで…」

「俺が知らないとでも思っていたか?」

 プロイセンという人は昔からこうなのだ。彼に引き取られて間もない頃はまだ自分中心に物事を考える節があったように思うが、時が経つにつれて彼はドイツのことを一番優先するようになり、自分を蔑ろにすることが多くなった。プロイセンに愛されることはドイツにとって何よりの喜びではあったが、その一方で彼にはもう少し自分を大事にしてもらいたいというのがドイツの願いでもあった――ことに、思い出すだけでひどく心を抉られるあの40年の分断を乗り越えて、彼が再びドイツの元に帰ってきてくれた今となっては、それはなおさらのことである。そのためならドイツはどんな事でもしてやりたいし、もっと自分に甘えてくれて構わないとも思う。
 それなのにこの人ときたら、まったく尽くしがいのない人なのだ。愛情を注ぐことは何でもないことのように思っているくせ、誰かから愛情を受けることにはまったく不慣れなのだから。
「俺が兄さんと出会ってから、共に過ごしてきた時間はそう長くない。…まぁ少なくとも、兄さんが生きてきた時間に比べればの話ではあるが」
 だがな兄さん、とドイツは続けた。
「俺はずっと兄さんを見て大きくなった。俺の知らない昔の兄さんのことも、懸命に知ろうと努力してきた。貴方は知らないだろうが、俺は貴方がどんな歴史を歩んできたのか、古い資料やら親戚連中の話やら手に入れられる情報は片っ端から手に入れて、知りうる限りの知識を身につけてきたんだ、だから」
 ドイツはプロイセンの目をまっすぐに見つめた。
「俺が貴方の戴冠日を知らないはずがないだろう?」

 予想だにしなかったドイツの言動に不意を突かれて口をパクパクさせていたプロイセンは、それでもきっと口を引き結んだかと思うと、照れ隠しのためだろう、ぷいっとそっぽを向いて、とりあえずさっさとケーキを切れなどとのたまった。そんな兄の子どもっぽいやり口がかわいくて、思わず喉を鳴らしそうになりながらもなんとかJaとだけ応えて、ドイツは素直に従いケーキを切り分けた。その真っ赤になった耳たぶが全てを物語っているぞ、とは言わないでやろう。チラリと目をくれてやると、プロイセンは何かを察したのか、このガキが、と罵り鼻をならした。

 切り分けたケーキを前に、向かい合って席につく。ここでドイツははじめて、いつもプロイセンの頭やら肩の上に乗っている小鳥がいないことに気がついた。うちの3匹の犬たちほどとまでは言わないが、まったくよくできた、空気の読める鳥である。イタリアやアメリカも少しは見習ってもらいたいものだなどとどうでもいいことを考えていると、

「…でもよ、」

 まだ居心地悪そうにもじもじしていたプロイセンが、急になにか思い出したように赤い瞳をちらりと向けて、ちょっと拗ねたような顔をした。
「お前がこの日を祝ってくれるのって、今度が初めてじゃねぇ?」
 うむ、とドイツは思わず呻いた。もうこれだけ話してしまったのだから、自分の胸の内をすべて話しておかなくてはならないだろう。かつてならばそうすることがプロイセンの負担になるだろうと気がひけたが、今の自分たちにそんな気遣いは無用のはずだ。そしてそのほうが、絶対にこの人の為になるとドイツは確信した。
「…がっかりしないでくれ、兄さん、俺は、昔の俺は、今よりずっと臆病だったんだ」
「ヴェスト?」
 プロイセンはことんと首を傾けてドイツを見つめた。
「俺は貴方のことを心から尊敬し慕っていたが、同時にひどく恐れていた。畏敬の念を抱いていたのだな。…だからそんな貴方に一人前だと認められ、そのように扱われるようになったあの日、本気で貴方のようになろうと心に決めたんだ。厳格で尊大で、自分にも他人にも厳しく、時にこの人には心がないのかと思うほどの冷徹さを瞳に秘めて戦場に立つ貴方は鬼神のごとく美しく、いつも俺の憧れだったから。もっと貴方に近づきたかった。貴方のように、なりたかった」
「だがそうしているうちに、俺は何かを忘れてしまっていたんだ。俺の兄は、プロイセンという人は、ただ強かったのでもただ厳しかったのでもなかったというのに。一人前に、対等に接するということがどういうことか、俺ははき違えていた。俺は兄さんからたくさんの愛情を受けてきたのに、それをこれからは自分が返さねばならないことを理解していなかった」
 ドイツは俯いて、苦しげに言葉を紡いでいく。
「貴方に祝福されることを当たり前だと思っていた。あの時の俺は、その同じ日に貴方を祝福せねばとは思えなかったんだ」
 ああ、しかし今となっては、なんと自分は傲慢だったのだろう!
 ほかでもないその傲慢な青年が、二度にわたってこの欧州全体を、はたまた世界中を巻き込んで数えきれない犠牲を生み、挙句黒鷲の羽根をもぎ取ったのだ。
 だが結局のところ、そうして散々傷つけたその人を今なお自分のところに留め置いているのだから、その傲慢さは健在なのだろう。あの氷の国の男が彼にとどめをささなかったことを、自分はこの先ずっと感謝せねばなるまい――あの時あの男が彼を殺していたほうが、彼にとっては幸せだったかもしれないのだ(彼は天の神の御下に召され、俺は地を這って苦しみ喘ぎ続けるのだから!)
 それでもまだ、救いがあるとドイツは信じていた。そう信じずにはいられなかった。少なくとも今の俺は、彼を心から祝福できるから。愛情でもって尽くすことができるから。
「だから今、俺は貴方の記念日を祝えるのがとても嬉しいんだ。そして何より、俺達二人の記念日が同じであることが一番嬉しい。つまり、俺と兄さんには、本当に深い縁が、切っても切れない強い絆があるのだと思えるから…本当におめでとう、兄さん」

さすがに気恥ずかしくなって、尻すぼみになりながらこうのたまったドイツに、すっかり余裕を取り戻して威厳ある兄となっていたプロイセンはケセッと笑った。
「お前こそ、おめでとうドイツ」
プロイセンは腕を伸ばして、ドイツの撫でつけられた前髪をくしゃくしゃに乱した。
「ドイツの歴史には意味深な数字がいくつも存在するけど、170年の時を経て重なった俺たちの記念日には特別の価値があるぜー」

「…まさかとは思うが、」

ドイツはプロイセンを見つめた。

「兄さんはわざわざこの日に戴冠式を?」

 ドイツの問いに、プロイセンはにやりと口角をつり上げた。

 そう、全てはプロイセン主導の下に執り行われたのだ、当時この人にそういう明確な意思があったなら、これは偶然でもなんでもない。ひょっとすると、兄の言う意味深な数字の数々も、ただの偶然ではないのではないか。ドイツは思わず幼いころ兄が語ってくれた言葉を反芻した――「ドイツ、運命なんてもんははじめからねぇんだ。そんなのは自分の力で切り開いていくもんだからよ」――

「それで、どうなんだ兄さん」

 ドイツがもう一度尋ねると、プロイセンはまた不敵に笑った。

「さぁ、どうだったっけな」

 それだけ言うと、何事もなかったかのようにプロイセンはケーキをつつき始め、そうかと思うとケーキとセットのはずのコーヒーを用意してねぇじゃねえか!などとぶうぶう言い始めて―ドイツはまったくうっかりしていて忘れていたのだ―、もうもはや何をも聞き出すことはかなわなず、ドイツはその後歯痒い記念日を過ごしたのだった。

 数日の後に、かつてかの宮殿を分捕られて、人んちで誕生パーティーなんかしやがって!と嘆き散らした挙げ句、二度の大戦にまでその因縁を持ち出してきた隣国にうっかり真実を聞かされたドイツがひどく赤面して、その後しばらくドイツではこの時期としては考えられない暖かな日和が続き、温暖化が新局面に達したかと世間を騒がせたとかどうとか。

 

 

 

 

 

 

 

 


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